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2016年7月5日号マリンフーズニュース掲載 ★和食ブーム 離脱も英・EU共に有望市場 マグロ輸出先

2016年7月 6日

(以下、記事掲載)
 英国は6月23日の国民投票によってEUからの離脱を決定、その後、世界は一時的に株安、ユーロ・ポンド安と経済不安が広がった。但し、日本のマグロ・カツオ事業からみればどうだろうか-。為替は、円高へとシフトしたものの、ユーロ、ポンドとも対米ドルに比べれば下げてはいない。欧州における日本食のブームは変わりなく拡大基調にあり、将来のマグロ・カツオ輸出相手国として英国・EU共に有望市場であることに変わりないと敢えてこの時期に強調したい。
 農林水産省の統計によると、日本からEUへの水産物の2015年の輸出額は、前年比で35.4%増加し、約73億円となった。日本からEUに最も多く輸出されている品目はホタテだが、近年の日本食ブームの拡大でブリやハマチが大きく増加していることが背景だ。中でベルギー向けブリは、この5年で10倍に激増したほど。顧客は、日本料理店だけではなく、ブリュッセルのミシュラン一つ星の高級フレンチ・レストランが、新しい食材として使用するまでになっており、「脂が乗っている」と評判だという。欧州マグロ市場の開拓が十分可能であることを物語っている。マグロ業界も既にEU市場を見越して動き始めている。水産庁は今春、福一漁業(焼津市、近藤一成社長)の刺身向け冷凍マグロ加工場「福一・西島コールドストレージ」(略称・FNC)を、対EU・HACCP水産加工施設第9号として認定した。FNCは福一漁業が昨年完成させた刺身マグロの加工工場。超低温冷蔵庫を併設、国内販売を拡充する一方、海外向け製品販売を強化するもの。同社はそれまで、マグロ加工場と冷蔵庫を設備した「福一・大井川コールドストレージ」(略称・FOC)が対米HACCPの認定を受け、2013年から米国にネギトロなどマグロ加工品を輸出してきた。FNCはEU・HACCP認定を受けたことで、今度はEUへキハダやメバチの刺身、加工品を輸出して行く。欧州でマグロは、ドイツ、フランス、英国で、鮨ダネとして、地中海沿岸国ではマグロステーキの需要があるという。