2016年5月、当社の福一・西島コールドストレージ(略称:FNC)が、BRCグローバルスタンダードの認証を受けました。
BRC(Food)規格とは、1998年、イギリスの小売業者団体である英国小売協会(British Retail Consortium:BRC)が、所属する英国小売業者のため、PB商品サプライヤー監査の要求事項を編纂・開発し、食品安全のために発行している規格です。同協会が第三者認証のスキームを運用しており、GFSI (Global Food Safety Initiative)のベンチマーク規格としてGFSIに承認されています。この規格は、文書化要求をともなうHACCPとISO9001と共通するマネジメントシステムの要素を含み、食品の安全衛生管理、法律遵守、品質管理の3点に焦点をあてています。
GFSIとは、世界の消費財業界メーカー・小売企業、650社以上によって組織されるTCGF(The Consumer Goods Forum)によって運営される非営利団体で、消費者に安全な食品を届けるために検査機関・行政などとも協力して活動しています。
世界的に認知度の高い規格であり、現在、100カ国以上、18,000を超えるサプライヤーがこのBRC(Food)規格認証の取得をされています。 その認知度の高さから、英国だけではなく、他の欧州諸国の小売業者を始め、海外でもBRC規格取得を取引条件として求めています。
2016年(平成28年)5月2日(月)、日刊水産経済新聞に掲載されました。
以下、記事全文。
水産庁は4月19日付で福一漁業㈱(静岡県焼津市、近藤一成社長)の「福一・西島コールドストレージ」(刺身向け冷凍マグロ加工場と超低温冷蔵庫を設備した施設=略称・FNC)を、EU・HACCP水産加工施設の認定第9号として認定し、4月27日に認定書を交付した。
同社はこれまで、マグロ加工場と冷蔵庫を設備した「福一・大井川コールドストレージ」(略称・FOC)が対米HACCPの認定を受けており、2013年から米国にネギトロなどマグロ加工品の輸出を開始している。今回FNCがEU・HACCP認定を受けたことで、EUへもキハダやメバチの刺身、加工品が輸出できるようになる。6月下旬にはEUへの輸出体制が整う見通し。
現在、輸出向けの扱いは売り上げ全体のごく一部だが、FOCとFNCの売上金額220億円のうち、全体の5%を輸出向けにしたいとしている。
同社は対米輸出を通し、和食文化の広がりを実感しているという。「特に寿司の販売が非常に伸びている。米国ではサーモンとマグロの2種類が群を抜いて多く、マグロはまだ伸びしろがある」(近藤大輔専務)。
EUではドイツ、フランス、英国で江戸前寿司のニーズが、地中海周辺の国々でマグロステーキのニーズがあるとみられ、今後マーケットリサーチを本格化させる。ただし、刺身マグロの輸出では韓国が先行している。「刺身は本来、日本の文化。日本初の商品であることを強調し、アピールしたい」(近藤洋常務)としている。
水産庁の佐藤正加工流通課長(右端)から認定書を受け取る近藤専務(その左)